Google Workspace週次アップデートまとめ(2026年8月21日)
2026年8月21日週のGoogle Workspace更新11件を解説。Google ChatへのAsk Gemini導入とサイドパネル廃止、管理者向けの制御とレポート、Vids録画の対象と提供時期をまとめます。
今週のアップデート概要
2026年8月21日のGoogle Workspace Weekly Recapには、11件の更新が掲載されました。先週の5件から倍以上に増え、管理者向けの発表が半数を超えています。
内訳を見ると、Google Chatに関わるものが3件、管理コンソールやAPIの機能が4件です。利用者が直接触れる変更は、Google Calendarの招待ブロック、Google MeetのRoom Displayモード、Gemini Notebookの複製、Google SlidesからのVids録画にあたります。
今週は展開のタイミングがそろっていません。すでに使えるものが3件ある一方、Google ChatのAsk Geminiは2026年8月26日から始まります。Workspace StudioとGoogle Slidesの録画も、Scheduled Releaseは9月に入ってからです。
1. Drive Inventory Reportingで外部共有を見分けやすく
BigQueryへ書き出すDrive Inventory Reportingに、外部共有を判別するためのフィールドが加わりました。直接付与された権限、グループのメンバーシップ、公開リンクをまとめて1つのシグナルへ整理します。
人間の利用者とサービスアカウント、そしてウェブへ公開されたファイルを見分けられます。DLPのメタデータと突き合わせれば、危険度の高いデータから対処できます。
対象はEnterprise StandardとPlus、Education StandardとPlus、Frontline Plus、Enterprise Essentials Plus、Cloud Identity Premiumです。
提供状況はRapid ReleaseとScheduled Releaseの両方で、2026年8月14日開始の段階展開です。表示まで最大15日かかります。
注意点は、この計算が既定でオフになっていることです。管理コンソールのDrive inventory report settingsにある「External sharing calculations」で有効にします。大規模なGoogleグループを持つ組織では処理時間が延び、レポートの配信予定に影響する場合があります。
詳しくは Drive Inventory Reportingが外部共有の可視化を強化 をご覧ください。
2. Workspace Studioに企業向けのセキュリティ制御
Workspace Studioが他の利用者を巻き込む処理に対応し、あわせて企業向けのセキュリティ制御が追加されました。フローは所有者のIDで動きますが、実行に必要な最小限の権限だけを持ちます。
管理者側では、フローの操作を所有者名で見せるかフロー名で見せるかを選べます。監査イベントにはフローの識別子と所有者の情報が付きます。管理コンソールのダッシュボードからは、すべてのフローの停止や個別フローのアクセス権の失効ができます。外部へデータを渡す手順の前に利用者の確認を求める設定や、GeminiとStudioを対象にしたDLPも用意されました。
対象はBusiness Starter / Standard / Plusと、Enterprise Starter / Standard / Plusです。Education Fundamentals / Standard / Plusも含まれます。さらにGoogle AI Pro for EducationとGoogle AI Ultra for Businessが加わります。
ただしGemini DLPとDLP for Studioは範囲が狭くなります。こちらはFrontline StandardとPlus、Enterprise StandardとPlusが対象です。Education Fundamentals / Standard / PlusとEnterprise Essentials Plusも含みます。
提供状況は3系統に分かれます。管理コンソールの設定はRapid ReleaseとScheduled Releaseの両方で2026年8月17日に始まり、表示まで最大3日です。利用者から見える機能は、Rapid Releaseが2026年8月20日開始で最大3日、Scheduled Releaseが2026年9月1日開始で最大15日です。ベータのID属性表示は、Rapid Releaseが2026年8月17日から7日かけて広がり、Scheduled Releaseは2026年8月24日開始で最大15日です。
注意点は、これらが新規作成したフローだけに効くことです。最小権限のID、ID属性表示、監査ログのフロー情報、アクセス管理への表示はいずれも同じ条件で、既存のフローは今後の対応となります。
詳しくは Workspace Studioが他ユーザーとの協働に対応、管理者制御も追加 をご覧ください。
3. Gemini Notebookでノートブックを丸ごと複製
Gemini Notebookで、コピー権限のあるノートブックを自分のライブラリへ複製できるようになりました。ソースとstudioの成果物がまとめて複製されます。
複製されるstudioの成果物には、Audio Overview、Video Overview、学習ガイド、フラッシュカード、クイズ、Slide Decksが含まれます。生成時のプロンプトやカスタムのチャット設定も引き継がれます。
対象は、Gemini Notebookを使えるすべてのGoogle Workspaceのお客様と個人のGoogleアカウントです。
提供状況はRapid ReleaseとScheduled Releaseの両方で提供済みです。
注意点は、引き継がれないものがあることです。個人のチャット履歴と自分で書いたメモは複製されません。複製後のノートブックは元と同期しないため、元の所有者があとから更新しても反映されません。Google Drive由来のソースは、コピーする側が元ファイルへアクセスしてコピーできる場合だけ含まれます。管理者向けの制御はなく、所有者が共有設定の「Allow copies」で可否を決めます。既定はオンです。
4. 管理コンソールにGemini搭載のAdmin Assist
Google管理コンソールに、Gemini搭載のAdmin Assistが加わりました。サイドパネルと検索の概要という2つの入り口があります。
サイドパネルはOGB経由で管理コンソールの多くのページから開けます。複雑な作業の進め方や運用の勘所を、対話しながら手順で示します。検索の概要は、管理コンソールの検索バーに質問を入れると動きます。ヘルプセンターの記事をまとめた要約と、次にとる操作を提示します。
対象はBusiness Starter、Standard、Plusだけです。EnterpriseとEducationは対象に含まれません。
提供状況はRapid ReleaseとScheduled Releaseの両方で提供済みです。
注意点は、使えるのが特権管理者に限られることです。対象エディションの特権管理者には既定でオンになりますが、委任管理者は対象外です。利用者側の設定はなく、影響もありません。Geminiの新機能ですが、Enterpriseを契約している組織では使えない点に気をつけてください。
5. Google Calendarで招待をブロックできる
Google Calendarで相手をブロックすると、その時点の予定が自動的に削除され、以後その相手からの招待が届かなくなります。繰り返し届く迷惑な招待への対処として使えます。
ブロックした相手はアカウント全体のブロックリストへ入り、対応する他のGoogleプロダクトでもやり取りが止まります。逆に他のプロダクトでブロック済みの相手は、Google Calendarの招待も届かなくなります。
対象はすべてのGoogle Workspaceのお客様、Workspace Individualの契約者、個人のGoogleアカウントです。
提供状況はRapid ReleaseとScheduled Releaseの両方で、2026年8月18日開始の段階展開です。表示まで最大15日かかります。
注意点は、この機能がGoogleアカウントを持つ相手にだけ効くことです。Google Calendar以外の利用者にはGmailのブロック機能を使います。その場合は予定を作るメールを含めて、その相手からのメールが迷惑メールへ振り分けられます。受信トレイには届きませんが、消えるわけではありません。管理者向けの制御はありません。
詳しくは Googleカレンダーで招待をブロックしてカレンダースパムを防ぐ をご覧ください。
6. Google MeetにRoom Displayモードがベータで追加
ウェブ版のGoogle Meetに、画面を2つに分けるRoom Displayモードがベータで加わりました。自分のノートPCを会議室のテレビやプロジェクターへつなぐ使い方を想定しています。
外部ディスプレイ側には、リモート参加者のタイルと共有中の資料だけが大きく表示されます。手元のノートPCは操作用の画面になり、会議の操作、機器の選択、資料の進行、参加者一覧、チャット、Ask Geminiのパネルがまとまります。自分のブラウザや作業中の画面を部屋全体へ見せずに済みます。
対象はBusiness Starter / Standard / Plusと、Enterprise Starter / Standard / Plusです。Frontline Starter / Standard / Plusも対象に入ります。加えてEssentials Starter、Enterprise Essentials、Enterprise Essentials Plus、Nonprofitsが含まれます。
提供状況はRapid ReleaseとScheduled Releaseの両方で、2026年8月19日開始の段階展開です。表示まで最大15日かかります。
注意点は、まだベータであることと、環境の条件があることです。Chromium系のブラウザが必要で、ウィンドウ管理の許可を与えておきます。外部ディスプレイはミラーリングではなく拡張モードで接続します。管理者向けの制御はありません。
詳しくは Google Meetに会議室向け「Room Display」ベータ版が追加 をご覧ください。
7. Google ChatにAsk Gemini、Geminiサイドパネルは廃止
2026年8月26日から、Google ChatのショートカットにAsk Geminiが加わります。Workspaceのデータを横断して調べる、画像や下書きを作る、会話をまとめて追いつく、予定やタスクを扱うといった操作をChatの中で行えます。話題ごとにセッションを分けて、あとから続きを進めることもできます。
同時に、ChatのGeminiサイドパネルは表示されなくなります。Chat経由でGemsを開くこともできなくなりますが、他のWorkspaceアプリのサイドパネルではGemsを引き続き使えます。サイドパネルの会話履歴は新しいAsk Geminiへ移りません。管理者は履歴をエクスポートでき、組織が許可すれば利用者も自分の履歴を書き出せます。書き出したデータは「Gemini in Workspace」に入り、「Google Chat」には入りません。
対象はBusiness StandardとPlus、Enterprise StandardとPlus、Google AI Pro for Educationです。
提供状況はRapid ReleaseとScheduled Releaseの両方で、2026年8月26日開始の段階展開です。表示まで最大15日かかります。本記事の公開時点ではまだ始まっていません。
注意点は、この変更がGoogleアカウントの言語を英語にしている利用者だけに適用されることです。他の言語設定の利用者は、これまでどおりサイドパネルを使えます。管理者側はGemini in Workspace in ChatとWorkspace Intelligenceの有効化が前提で、利用者側はWorkspace Smart Featuresへの登録が必要です。2026年10月1日まではプロモーションとして上限が引き上げられ、以降は通常の利用上限が適用されます。
8. Google Chatでスペース作成だけを制限できる
Google Chatに、スペースの作成だけを止める管理設定が加わりました。1対1のダイレクトメッセージとグループのダイレクトメッセージは、これまでどおり作成できます。
従来は会話の作成をまとめて止めるか止めないかの2択でした。今回から「制限なし」「スペース作成を制限」「すべての作成を制限」の3段階になります。承認の流れを通してスペースを作りたい組織や、外部の協力会社を含む環境で使い分けやすくなります。
対象はBusiness StandardとPlus、Enterprise Starter / Standard / Plusです。Education Fundamentals / Standard / PlusとFrontline Starter / Standard / Plusも含みます。
提供状況はRapid ReleaseとScheduled Releaseの両方で、2026年8月14日に始まった段階展開です。表示まで最大15日かかります。
注意点は、設定の単位です。ドメイン、組織部門、グループのいずれかを選んで適用します。設定場所は管理コンソールのアプリからGoogle Workspace、Google Chat、Chat and space restrictionsと進みます。利用者側の設定はなく、制限された人にはスペース作成の項目が押せなくなるだけです。
9. Allowlisted Domains APIが一般提供に
許可ドメインの一覧をAPIから扱えるAllowlisted Domains APIが一般提供になりました。これまで管理コンソールで手作業だった管理を、プログラムから自動化できます。
Cloud Identity APIのトップレベルのリソースとして提供され、作成、削除、一覧、取得の操作に対応します。一覧の取得では完全一致による絞り込みも使えます。信頼できる取引先だけに外部共有の範囲をそろえる運用を、手作業なしで維持できます。
対象はすべてのGoogle Workspaceのお客様です。
提供状況はRapid ReleaseとScheduled Releaseの両方で、2026年8月19日に始まった段階展開です。表示まで最大15日かかります。
注意点は、リセラーの管理するワークフローが現時点では対象外であることです。呼び出しにはドメイン管理またはドメイン許可リスト管理の権限が必要です。利用者側の操作はありません。
10. GeminiレポートでGoogle Chatの利用状況を確認
Geminiレポートのダッシュボードで、Google ChatにおけるGeminiの利用状況を見られるようになりました。組織単位と利用者単位の両方のレポートが対象です。
組織単位では、ChatでGeminiを使っている人数と傾向を追えます。利用者単位では、特定の人がどの程度使い込んでいるかを確認できます。研修の効果測定や、次に声をかける相手を決める材料になります。
対象はBusiness Starter / Standard / Plus、Enterprise Starter / Standard / Plus、Google AI Pro for Educationです。
提供状況はRapid ReleaseとScheduled Releaseの両方で提供済みです。
注意点は、数値の見え方が変わることです。ChatにおけるGeminiの要約操作のうち、利用者が起点になるものがアクティブ扱いへ変更されました。そのため、アクティブな人数とChat全体の利用状況が従来と違って見える場合があります。利用者側の影響と操作はありません。
11. Google SlidesからGoogle Vidsで録画できる
Google Slidesの右側のメニューに録画の項目が加わり、Google Vidsの手順で発表を収録できるようになりました。収録が終わるとそのまま共有できるリンクが手に入ります。
Google Vids側の編集機能も使えます。文字起こしを直して映像を整える方法や、ナレーションを生成する方法が選べます。手元の資料から短い説明動画を作るまでの手数が減ります。
対象はすべてのGoogle Workspaceのお客様、Workspace Individualの契約者、個人のGoogleアカウントです。
提供状況はリリース種別で分かれます。Rapid Releaseでは2026年8月20日に段階展開が始まり、表示まで最大15日かかります。Scheduled Releaseでは2026年9月7日に完全展開が始まり、1〜3日で行き渡ります。
注意点は、従来のSlides録画との関係です。これまでの録画を使えた組織では、新旧のどちらも使えます。従来の録画は表示メニューの中へ移ります。管理者向けの制御と利用者向けの設定はありません。
今週のポイント
まず確認したいのは、自社が対象に入るかどうかです。4番のAdmin AssistはBusinessだけ、1番のDrive Inventory ReportingはEnterpriseとEducationが中心で、両者は逆の向きになっています。エディション名だけを見て「Geminiだから使える」と決めるのは危ういところです。
次に、展開のタイミングを分けて読みます。3番、4番、10番はすでに提供済みです。8番と9番は8月14日と8月19日に始まっています。一方で7番は2026年8月26日開始、2番と11番のScheduled Releaseは9月に入ってからです。社内へ案内する日付は、この3つの層を混ぜないほうが安全です。
管理者の作業が発生するのは1番、2番、8番、9番です。1番は既定でオフなので、有効にしない限り何も増えません。2番は新規のフローだけが対象です。既存のフローには最小権限のID、監査ログのフロー情報、アクセス管理からの停止が効きません。既存のフローを持つ組織は一覧を洗い出し、作り直すか別の監視と停止の手順を用意しておくと安全です。8番はスペース作成の窓口を絞りたいときに効きます。
利用者への周知が必要なのは7番です。Ask Geminiが増えるだけでなく、Geminiサイドパネルがなくなり、履歴も移りません。英語設定の人だけが対象なので、社内で誰が該当するかを先に把握しておくと問い合わせを減らせます。
まとめ
2026年8月21日週は、管理者向けの発表が目立つ週でした。Drive Inventory Reportingの外部共有フィールドと、Workspace Studioのセキュリティ制御が並びました。Google Chatのスペース作成制限とAllowlisted Domains APIも同じ週です。いずれも外部との境界を管理する話につながります。
利用者から見える変更では、Google Calendarの招待ブロックとGoogle MeetのRoom Displayモードが日々の会議に効きます。Gemini Notebookの複製とGoogle SlidesからのVids録画は、作った資料を配る手順を短くします。
もっとも影響が大きいのはGoogle ChatのAsk Geminiです。機能の追加とサイドパネルの廃止が同時に起きるため、対象となる英語設定の利用者には8月26日より前に伝えておくと落ち着いて移行できます。
参考リンク
- 公式 Weekly Recap(2026年8月21日)
- Enhanced external sharing insights now available in Drive Inventory Reporting
- New enterprise security controls for Workspace Studio enable expanded collaboration use cases
- Make a copy of a notebook in Gemini Notebook
- Use Gemini to help manage Google Workspace for your organization
- Managing unsolicited event invitations with user blocking in Google Calendar
- Elevate your Google Meet experience for shared meeting spaces with Room Display mode
- Introducing Ask Gemini in Chat: your new partner in productivity
- Granular space creation restrictions now available in Google Chat
- Allowlisted Domains API now generally available
- View Google Chat usage metrics in Gemini reports dashboard
- Record presentations in Google Slides with Google Vids
本記事はKz classによる解説であり、Google公式の見解ではありません。