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Googleドライブでデータ分類ラベルが一目でわかるように。情報管理がより見える化

Google ドライブのデータ分類ラベルが全ての画面で表示されるようになりました。ファイルの詳細を開かなくても機密度が確認でき、情報セキュリティ意識の向上や誤共有防止に役立ちます。対応エディションや設定方法も解説。

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要約

Google ドライブのデータ分類ラベルが、ホーム・マイドライブ・共有ドライブ・検索結果など、すべての画面で表示されるようになりました。これまではファイルの詳細を開くか、ファイル自体を開かないと分類状態を確認できませんでしたが、今後はファイル一覧を見ているだけでラベルが目に入ります。「これは社外秘だったっけ?」と確認する手間が減り、日常的に機密度を意識しながら作業できる環境が整いました。

何が変わったのか

データ分類ラベルは、ファイルに「社外秘」「機密」「一般」などの分類タグを付けて管理する機能です。以前からこの機能自体は存在していましたが、ラベルを確認するにはファイルの詳細パネルを開くか、ファイル自体を開く必要がありました。

今回のアップデートでは、ドライブの画面を開いただけでラベルが見えるようになります。

具体的には、ファイル名の横に色付きのバッジでラベル値が表示されます。複数のラベルが適用されている場合は、最も優先度の高いラベルが表示され、その横に「+2」のような形で追加ラベル数がアイコンで示されます。

バッジにマウスカーソルを合わせると、適用されているすべてのラベルがツールチップで表示されます。ラベルをクリックすれば、そのままファイル詳細のラベルセクションが開くので、変更や確認もスムーズです。

なぜこれが大事なのか

情報セキュリティの観点で、このアップデートは地味ながら効果的だと感じます。

「見える」ことが意識を変える

これまで、データ分類ラベルを設定していても、日常業務の中でそれを意識する機会は限られていました。ファイルを作成するときに分類を設定しても、その後は詳細を開かない限り目に入りません。

ラベルが常に見えるようになると、ファイル一覧をスクロールしているだけで「あ、このフォルダには機密ファイルが多いな」という認識が自然と生まれます。

情報セキュリティは「気をつけよう」と思っても、忙しいとつい意識が薄れがちです。視覚的なリマインダーがあることで、組織全体の情報管理意識が底上げされる効果が期待できます。

共有前の確認がしやすくなる

「このファイルを外部に共有しても大丈夫かな?」と迷った経験はないでしょうか。

ファイル名だけでは機密度がわからず、一つずつ詳細を開いて確認するのは手間がかかります。ラベルが一覧で見えていれば、共有前のチェックが格段に楽になります。

特に複数ファイルを同時に共有する場面では、この視認性の向上は大きなメリットになりそうです。

管理者が知っておくべきこと

設定変更は不要

すでにデータ分類ラベルを使っている組織では、特に設定変更なしで新しい表示形式が適用されます。管理者側で何かアクションを取る必要はありません。

バッジ表示のカスタマイズ

管理コンソールの Label Manager では、ラベルにバッジリスト(選択肢)を含めるかどうか、また色を指定するかどうかを設定できます。

バッジリストを持つラベルは色付きのバッジとして目立つ形で表示されます。バッジリストを持たないラベルは、ラベル名のみが控えめに表示される形式になります。

機密度の高い分類を目立たせたい場合は、赤系の色を設定するなど、運用に合わせた調整が可能です。

機能のON/OFF

この表示拡張自体を無効にする管理者設定は用意されていません。ただし、データ分類ラベル機能そのものを使っていない組織には影響はありません。

対応エディション

データ分類ラベルは以下のエディションで利用可能です:

  • Frontline Starter / Standard
  • Business Standard / Plus
  • Enterprise Standard / Plus
  • Education Standard / Plus
  • Nonprofits
  • Essentials / Enterprise Essentials / Enterprise Essentials Plus

Business Starter や無料の Google アカウントでは利用できません。組織向けの情報ガバナンス機能という位置づけです。

活用のヒント

運用ルールの整備と併せて

ラベルが見えるようになっても、そもそもラベルが適切に設定されていなければ効果は限定的です。

  • どんなファイルに、どんなラベルを付けるべきか
  • 誰がラベルを設定・変更できるか
  • 定期的なラベル見直しの仕組み

こうした運用ルールを整備することで、今回のアップデートがより活きてきます。

新入社員研修での活用

新しく入った社員に情報セキュリティを教える際、「ドライブを開くとファイルにはこういうラベルが付いていて、それぞれの意味は…」と説明しやすくなります。

目に見える形で分類が表示されていると、抽象的なルールの説明よりも実感を持って理解してもらいやすいのではないでしょうか。

まとめ

データ分類ラベルの視認性向上は、派手な新機能ではありませんが、日常業務の中で情報セキュリティ意識を自然に高めてくれるアップデートです。

「見えていなかったものが見えるようになる」ことで、組織の情報管理がもう一歩前に進む。すでにラベル運用をしている組織は、この機会に設定の見直しや、色設定の最適化を検討してみてもよいかもしれません。

これからラベル運用を始めようと考えている組織にとっても、「付けたラベルがちゃんと見える」ようになったことで、導入のモチベーションが上がるのではないでしょうか。

参考リンク