Google Sheetsのピボットテーブルをドラッグで並べ替え可能に
Google Sheetsのピボットテーブルで、行・列のドラッグ&ドロップによる手動並べ替えとカスタムソートが可能になりました。Excelへの書き出しでも並び順を保持。4つの機能とロールアウトを解説します。
月次報告や進捗の共有でピボットテーブルを使うとき、行や列の並び順が悩みの種になることがあります。支店を北から順に並べたい、売上の大きい項目を先頭に置きたい。そうした報告資料として自然な並びを、従来のGoogle Sheetsでは作れませんでした。行・列の並びは昇順か降順の英数字順に限られていたからです。
2026年9月22日のGoogle公式発表で、この制約が解消されました。Google Sheetsのピボットテーブルで、行見出し・列見出しをドラッグ&ドロップで並べ替え、カスタムソートの順序を保持できるようになりました。なお昇順・降順ソート自体は残り、手動の並べ替えは追加の選択肢という位置づけです。
手動並べ替えとカスタムソートとは
手動並べ替えは、ピボットテーブル上の行見出し・列見出しをドラッグして、任意の順序に並べ替える機能です。カスタムソートは、その手動で決めた並び順をカスタムのソート状態として保持する仕組みを指します。
集計値や名前の順ではなく、業務上の意味に沿った順で表を組み立てられます。地域ブロック順、フェーズ順、重要度順といった、データ自体には含まれない並びをそのまま表現するための機能です。
公式発表が挙げる4つの機能
公式発表は、今回の更新を4つの機能に分類しています。
1つ目はオングリッドのドラッグ&ドロップです。ピボットテーブルのグリッド上で、個別の行見出し・列見出しを直接掴んで移動します。ドロップ先を示すドロップゾーンインジケーターが表示されるため、どこに挿入されるかを見ながら操作できます。
2つ目は複数項目の同時並べ替えです。複数の行・列を選択して、まとめて再配置できます。並べ替えたい範囲が広いときに、1項目ずつ動かす手間を省けます。
3つ目は階層の維持です。ネストされた子項目は親フィールドと一緒に移動し、展開・折りたたみの操作をまたいでも構造が保たれます。親だけを動かして子が取り残される、といった崩れを防ぐ仕組みです。
4つ目は並び順の永続化です。カスタムの並び順は、ブラウザセッション、データ更新、フィルタリング、レイアウト変更をまたいで保持されます。詳しくは後述します。
操作方法と権限
操作はエンドユーザーが行います。ピボットテーブル上で行見出し・列見出しをドラッグするだけで、サイドバーの設定を書き換える必要はありません。複数の項目を選択してまとめて動かすこともできます。
管理者向けの設定はありません。管理コンソールにこの機能を有効化・無効化するスイッチは用意されておらず、展開が届いた環境ではそのまま使えます。
Excelファイルとの相互運用
Excelとの相互運用も改善されました。従来、手動またはカスタムの並び順を持つピボットテーブルを含むExcelブックをインポートすると、Google Sheetsは並びを昇順・降順に戻していました。
今後は、インポートしたスプレッドシートがピボットテーブルのカスタムな並び順をそのまま保持します。さらにExcelへエクスポートしても並び順が維持されるため、往復で崩れないラウンドトリップ互換です。
注意したいのは、保持される対象がピボットテーブルの並び順に限られる点です。ブック内の他の要素すべてが同じ扱いになるわけではありません。
並び順はどこまで保持されるか
公式発表が明記する保持の範囲は、ブラウザセッション、データ更新、フィルタリング、レイアウト調整の4つです。
一度並べ替えた順序は、ブラウザを閉じて開き直しても残ります。元データを更新したり、フィルタをかけたり、ピボットテーブルのレイアウトを変えたりしても、カスタムの並びは維持されます。報告資料として整えた順序が、運用中の操作で崩れにくい設計です。
対象と提供スケジュール
対象は、すべてのGoogle Workspace顧客と、個人Googleアカウントの利用者です。エディションによる限定はありません。
ロールアウトはドメインの種別で開始日が異なります。Rapid Releaseドメインは2026年9月22日から、Scheduled Releaseドメインは2026年10月5日から、それぞれ段階的に展開されます。いずれも機能が表示されるまで最大15日かかります。
注意点
段階的な展開のため、環境によっては公開時点でまだ機能が表示されていません。とくにScheduled Releaseドメインは展開開始が10月5日と記事公開より後のため、しばらく待つ必要があります。
また、日本語UIでのメニュー表示名やドロップゾーンの見た目は、本記事の作成時点で実機確認ができていません。細かいUI表記は公式ヘルプの最新情報を参照してください。
ピボットテーブルまわりでは、直近でも改善が続いています。計算項目の専用エディタを解説した記事と、Excelテーブル取り込みの改善を解説した記事もあわせて確認すると、今回の更新の位置づけが分かりやすいです。
まとめ
Google Sheetsのピボットテーブルで、行・列見出しのドラッグ&ドロップによる手動並べ替えとカスタムソートが追加されました。オングリッド操作、複数項目の一括移動、階層の維持、並び順の永続化という4つの機能で、報告資料の並びを業務上の意味順に合わせられます。
Excelとの間でもピボットテーブルの並び順が往復で保持されるため、外部とファイルをやり取りする運用での手戻りを減らせます。社内へ案内するときは、利用中のドメインのロールアウト種別を確認してから表示時期を伝えると確実です。
出典: Google Workspace Updates 公式発表
参考リンク
本記事はKz classによる解説であり、Google公式の見解ではありません。