Google DriveのフォルダをGeminiが自動要約。ただし現時点では英語のみ
フォルダを開くだけで中身のファイルをGeminiが要約してくれる新機能が登場。便利そうですが、現時点では英語のみ対応という制約があります。
要約
Google DriveにGeminiによる新しいインサイト機能が追加されました。フォルダを開くと、その中にあるファイルの内容をGeminiが自動的に要約して表示してくれます。「このフォルダには何が入っていたっけ」とファイルを一つずつ開いて確認する手間が省けそうです。ただし、現時点では英語のみ対応。日本語環境での実用性は限定的かもしれません。
どんな機能か
Google Driveでフォルダを開くと、画面上部にGeminiによる「インサイト」が表示されるようになります。
このインサイトには、フォルダ内のファイルの概要が含まれています。たとえば「このフォルダには営業資料が5つ、契約書が3つ入っています」といった情報が、ファイルを開かなくても分かるようになります。
もっと詳しく知りたい場合は、「Explore with Gemini」をクリックすると、Geminiのサイドパネルが開きます。そこでフォルダの内容について質問したり、より詳細な要約を確認したりできます。
この機能は、以前から提供されていた「フォルダナッジ」の進化版です。単純な提案から、よりインテリジェントな要約へとアップグレードされました。
便利そうだけど、制約がある
正直に言うと、この機能には現時点でいくつかの制約があります。
英語のみ対応
最も大きな制約は、現時点では英語のみ対応ということ。日本語のファイル名やファイル内容に対して、どの程度正確に要約してくれるかは不明です。
英語のドキュメントを多く扱う方には便利かもしれませんが、日本語中心の業務では恩恵を受けにくいかもしれません。
対象エディションが限られる
この機能を使えるのは以下のエディションです。
- Google Workspace Business Standard / Plus
- Google Workspace Enterprise Standard / Plus
- Google One AI Premium
- Google AI Pro for Education
Business Starterは対象外です。中小企業でよく使われているエディションだけに、ここは残念なポイントです。
Smart featuresの有効化が必要
この機能を使うには、Google WorkspaceのSmart features(スマート機能)が有効になっている必要があります。
プライバシーを重視してSmart featuresをオフにしている組織では、この機能は使えません。
使えそうな場面
制約はありますが、条件が合えば便利な場面もありそうです。
英語コンテンツを扱うチーム
海外拠点とのやり取りが多いチームや、英語のドキュメントを日常的に扱う部署では活用できそうです。共有フォルダの中身を把握するのに、いちいちファイルを開かなくてもよくなります。
引き継ぎや新メンバーのオンボーディング
「このフォルダには何が入っているの?」という質問は、引き継ぎの場面でよくあります。Geminiが概要を教えてくれれば、説明の手間が少し減るかもしれません。
ただし、繰り返しになりますが、英語コンテンツが前提です。
過去のプロジェクトフォルダを見返すとき
「去年やったあのプロジェクト、どんな資料があったっけ」と振り返るとき、フォルダを開いただけで概要が分かると便利です。
設定について
管理者向け
管理コンソールで「スマート機能とパーソナライゼーション」のデフォルト設定を有効にすることで、ユーザーに対してこの機能を提供できます。
ユーザー向け
Smart featuresが有効になっているユーザーは、デフォルトでこの機能がオンになります。
不要な場合は、フォルダ上部に表示される「insights by Gemini」セクションを折りたたむことで非表示にできます。Smart features自体をオフにすることでも無効化できます。
展開スケジュール
- Rapid Releaseドメイン: 提供開始済み
- Scheduled Releaseドメイン: 2025年12月9日から順次展開(15日以上かかる場合あり)
日本語対応を待ちたい
個人的な感想として、この機能はアイデアとしては良いと思います。フォルダを開いただけで中身が分かるのは確かに便利です。
ただ、英語のみ対応という現状では、日本のビジネス環境での活用は限定的です。日本語のファイルが多い組織では、要約の精度がどうなるか分からないまま使うのは不安があります。
Geminiの日本語対応は着実に進んでいるので、この機能も近いうちに日本語対応されることを期待したいところです。それまでは「こんな機能が来る予定」くらいの認識でいいかもしれません。
英語コンテンツを多く扱う方は、ぜひ試してみてください。