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PowerPointをクライアントサイド暗号化スライドに変換するベータが開始

Google Workspaceアップデート7分で読めます

PowerPointファイルをクライアントサイド暗号化スライドに変換して取り込むベータが開始。CSE Office Interopベータプログラムの参加ドメインが対象で、Enterprise Plusなどの上位エディション向けです。

暗号化したいのに、Officeファイルだけ取り込めなかった

クライアントサイド暗号化(CSE)を運用している組織にとって、Microsoft Office形式のファイルは長年の悩みでした。暗号化を維持したままGoogle Workspaceへ取り込む手段がなく、PowerPointの資料は「復号してから移すか、Office側に残すか」の二択です。

2026年9月24日、Googleはこの問題への対応として、PowerPointファイルをクライアントサイド暗号化スライドに変換する機能をベータで開始したと発表しました。

何が変わったか

PowerPointファイルをクライアントサイド暗号化(CSE)スライドとしてインポートし、アクセス・編集できます。

これは、すべてのカスタマーが使える一般提供機能ではありません。CSE Office Interopベータプログラムに参加するドメイン向けのベータ提供で、Googleスライド自体の暗号化の仕組みが変わる話でもありません。Microsoft Officeファイルとの相互運用(Office Interop)を広げる一環として、インポート側の対応が追加された形です。

暗号化はどのタイミングで行われるか

処理の流れは「インポート前にクライアントサイドで暗号化」が先です。PowerPointファイルは、Workspaceへインポートされる前にクライアントサイドで暗号化され、その後に高忠実度の暗号化スライドへ変換されます。暗号化されないままサーバーに取り込まれるわけではない点が、今回の仕組みの核心です。

変換後は通常のスライドと同じように、コンテンツへアクセスして編集できます。

そもそもCSEとは

CSE(クライアントサイド暗号化)は、暗号化キーをGoogleではなく自社側で管理する仕組みです。データがGoogleのサーバーに届く前の段階で暗号化されるため、サーバー上でも内容は暗号化されたまま保持されます。

同じ仕組みを使う機能として、Gmailのエンドツーエンド暗号化(E2EE)があります。導入の考え方は「Gmailのエンドツーエンド暗号化、モバイルアプリにも対応」で解説しています。

セキュリティ設定全体の整え方は、「Google Workspaceのセキュリティ設定ガイド」も参考になります。

提供形態:CSE Office Interopベータプログラム経由

本機能は、CSE Office Interopベータプログラム経由で提供されます。同プログラムは、CSE環境でのMicrosoft Office編集、エクスポート、インポート、テイクアウトの各機能へ、一般提供前の段階でアクセスできるベータ枠です。

参加は、対象ライセンスを持つ組織の管理者による登録フォームからの申請が前提です。申請フォームは公式発表に案内があります。すでに登録済みの組織では、ドメイン全体で本機能が利用可能になっています。

エンドユーザー向けの個別設定はありません。登録ドメインのユーザーに対してONになります。

対象エディション

対象エディションは次の5つです。

  • Enterprise Plus
  • Education Standard and Plus
  • Frontline Plus
  • Assured Controls
  • Assured Controls Plus

Business StarterやBusiness Standardなど、Business系エディションは対象外です。前提としてCSE自体を運用できる上位エディションに限定されます。

ロールアウト

ロールアウトは、Rapid Releaseドメイン・Scheduled Releaseドメインともに、CSE Office Interopベータプログラムに参加済みのカスタマーには公開時点で利用可能です。これから申請するカスタマーは、ベータへの承認後に利用開始となります。

一般提供(GA)の時期は、公式発表に記載がありません。

これまでの流れ

今回の発表は、CSEスライドをめぐる一連の対応の「インポート側」にあたります。2026年4月には暗号化スライドのダウンロードがベータで始まり、5月にはVaultやテイクアウトでエクスポートしたCSEスライドの変換がベータで始まっています。Microsoft Office形式との行き来を広げる改善が続いている流れで、参考リンクに両方の公式発表を載せています。

注意点

  • 利用にはCSE Office Interopベータプログラムへの登録が前提です。対象ライセンスを持つ管理者による申請が必要で、申請なしには使えません
  • 対象はEnterprise Plusなど5つの上位エディション限定です。Business系エディションの組織は対象外です
  • 今回の対応はPowerPointからスライドへのインポートです。ドキュメントやスプレッドシート向けOfficeファイルのインポートが新たに追加された発表ではありません
  • エンドユーザーが個別にオン・オフする設定はありません。登録ドメインのユーザーに対してONになります
  • ベータ提供のため一般提供の時期は未定です。操作画面の細部は公式発表と管理者向けヘルプを参照してください

Kz Point

中小企業での活用度: 2/5

対象が上位エディションとベータプログラム参加ドメインに限られるため、多くの中小企業には直接関係しません。ただ、CSEを導入している組織にとって「PowerPointを暗号化したまま移せない」は、移行の現場で実際に刺さる制約でした。CSE導入済みの組織や、導入を検討している組織なら、動きを押さえておく価値があります。

まとめ

  • PowerPointファイルをクライアントサイド暗号化スライドに変換する機能がベータで開始した
  • ファイルはインポート前にクライアントサイドで暗号化され、その後に高忠実度の暗号化スライドへ変換される
  • 提供はCSE Office Interopベータプログラム経由で、対象ライセンスを持つ管理者の申請が前提
  • 対象はEnterprise Plus、Education Standard and Plus、Frontline Plus、Assured Controls、Assured Controls Plusの5エディション
  • Rapid Release・Scheduled Releaseとも参加済みドメインでは即時利用可能で、一般提供の時期は未定

CSEを運用している組織で、PowerPoint資料の移行を保留にしていたファイルがあるなら、ベータ登録の状況確認から始めるのが近道です。

出典: Google Workspace Updates 公式発表


参考リンク:


本記事はKz classによる解説であり、Google公式の見解ではありません。

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