AI検索で自社サイトが参照されるために中小企業が確かめる5項目
検索のゼロクリック率は2026年7月に68.1%まで上がりました。AIの回答に自社サイトが参照されるために、中小企業が確かめる5項目と、当社の計測結果をまとめます。
AI検索のゼロクリック率は68.1%、中小企業のサイトに何が起きるのか
検索結果の画面だけで調べものが終わる割合は、2026年7月に68.1%まで上がりました。サイトを開いてもらう前に、AIの回答や要約だけで済ませる場面も増えています。中小企業のサイトにとって、入口は検索順位だけではなくなりました。AIの回答の中で参照されることも、もう1つの入口です。
「AI検索対策」と調べる人の本当の困りごとは、順位ではなく「問い合わせにつながる入口が細っていないか」だと思っています。その入口の変化を、公開されている数字で確かめます。
出典は日本経済新聞の記事「AI検索普及、ゼロクリック率68%に上昇 揺らぐサイト集客」(2026年10月18日)です。ヴァリューズが約250万人のウェブ行動ログを調べたもので、検索結果から外部サイトへ移らずに情報収集を終える割合は、2025年9月の63.5%から2026年7月の68.1%に上がりました。記事の本文は会員限定のため、この記事では公開されている見出しと数字だけを使います。
この数字が自社にどう効くかは、サイトによって違います。そこで当社は、確かめる項目を5つに絞り、自社のサイトで実際に試しました。
AI検索で参照されるために確かめる5つのチェック項目
確かめる項目は、AIクローラーの許可、AI流入の計測、会社の説明ページ、構造化データ、記事の書き方の5つです。どれも特別なツールは要らず、設定と文章の見直しで済みます。
1. AIクローラーを拒否していないか
AIの回答に使われる前提として、AIの検索用クローラーがサイトを読めることが必要です。検索用と学習用のクローラーは別のもので、たとえばOpenAIでは、検索用のOAI-SearchBotと学習用のGPTBotの許可を、それぞれ独立に決められます。robots.txt で検索用クローラーを止めていないか、CDNやセキュリティ設定が既定でAIボットを止めていないかを、管理画面で確かめます。
当社のサイトは、robots.txt で全クローラーを許可しています。Cloudflareでも、AI学習用のクローラーをブロックしない設定にしています。これは当社が2026年7月に決めた方針で、AI検索からの引用で見つけてもらうほうを優先したためです。学習用の許可は、検索に載せるための必須条件ではありません。学習への利用を避けたい会社は、検索用だけを許可する選び方もあります。
2. AI流入を測れているか
測っていなければ、対策が効いたかどうかを判断できません。GA4では、既定のチャネルに「AI Assistant」があるので、まずここを見ます。
見るときの注意点がいくつかあります。ChatGPT検索からの流入は openai / organic という参照元で届き、GA4ではOrganic Searchに入ります。また、アプリ経由の流入はリファラが落ちてDirectに入ります。そのため、数字は下限として読みます。GoogleのAI OverviewsやAIモードを経由した流入は、AI AssistantではなくOrganic Searchに入るので、この集計では分けられません。当社は、AI Assistantチャネルと、参照元が chatgpt や openai などのセッションを合わせて数えています。
3. 会社とサービスを短く説明するページがあるか
AIが会社を説明するときは、サイト内の短い説明を拾います。何の会社で、誰に何を提供し、どこに相談すればよいかが、1ページで読める状態にしておきます。
当社は、サイトの直下に llms.txt を手書きで置きました。llms.txt はAI向けにサイトの要点を伝えるための提案形式のテキストで、読まれる保証はありません。それでも、サービス、会社情報、お問い合わせ先を短くまとめる作業は、人間向けの説明を見直す機会になりました。
4. 構造化データで公式アカウントを結び付けているか
構造化データは、ページの内容を機械が読める形で書き添えるものです。会社の情報には sameAs という項目があり、同じ会社の公式アカウントを結び付けられます。
当社は、会社情報の構造化データに、note、YouTube、Xの3つの公式アカウントを sameAs として設定しました。サイトとSNSが同じ会社のものだと、機械にも分かる形で示すためです。
5. 記事が結論と数字を先に書いているか
AIの回答に引用されやすいのは、節の冒頭で結論を言い切り、数字・日付・公式リンクがそろった記事です。当社の計測でも、Geminiからの流入は、機能名・提供日・公式リンクを持つ記事に集まりました。
当社は、記事の品質基準に次の書き方を足しました。冒頭の2〜3文で結論を言い切る。数字と条件を本文に書く。比べる内容は表にする。自社の実践や実測を1か所以上入れる。人間の読者にとっても読みやすい書き方なので、AIのためだけの特別なことはしていません。
当社で実践したことと、基準値の数字
当社は2026年7月27日から10月17日までのAI流入を計測し、19セッションを基準値としました。同じ期間の全セッションは908で、その約2%です。Organic Searchの331セッションと比べると、約6%に当たります。
この19セッションは、AIアシスタントなどから来たと識別できたものに限ります。下の表は、基準値の参照元別の内訳です。
| 参照元 | セッション |
|---|---|
| gemini.google.com | 13 |
| chatgpt.com | 4 |
| openai(ChatGPT検索) | 2 |
| 合計 | 19 |
Geminiからの13セッションのうち、着地先を確認できた11セッションは、すべてGWS Update速報・週次まとめの記事でした。残る2セッションは着地先が不明です。Google Workspaceの新機能を調べた人が、引用元として来たと読めます。ChatGPTからの4セッションは、すべてトップページに着地していました。社名やサービスを調べた経路の可能性があります。
一方、サービスページ(/ai-agent/・/training/)に着地したAI流入は、まだありません。AIクローラーの許可は計測前の2026年7月から続けている設定です。llms.txt、記事の品質基準、構造化データの sameAs は基準値を取った後に入れたので、効果を数字で言える段階ではありません。
数字はまだ小さい、期待しすぎないこと
19セッションは、成功事例と呼べる規模ではありません。AI流入はサイト全体のごく一部で、問い合わせにつながったかどうかも、今の数字からは分かりません。
当社は、この記事を測り始めた記録として書いています。今後も同じ定義で計測を続け、着地ページの広がりが変わったかを見ます。変化があれば、この記事に追記します。
よくある質問
AI検索対策を始める前に、中小企業から聞かれやすい疑問を3つ選びました。
AI検索対策は、従来のSEOと別に始める必要がありますか?
別に始める必要はありません。AIが引用しやすい記事の特徴は、結論が先にあり、数字と出典がそろっていることで、検索で評価される記事の特徴と大きく重なります。従来のSEOを続けながら、この5項目を確かめれば十分です。
小さな会社でも、AI経由の流入は期待できますか?
当社の実測では、期間中のAI流入は19セッションでした。大きな流入を見込む段階ではありませんが、Geminiから届いた流入のうち着地先を確認できたものは、具体的な機能名と公式リンクを持つ記事に集まっていました。内容が具体的であれば、小さなサイトでも引用の対象になり得ます。
5項目のうち、最初にやるべきものはどれですか?
AI流入の計測です。測れていないと、ほかの4項目を直した効果を確かめられません。GA4の「AI Assistant」チャネルを開くだけなら、数分で済みます。
まとめ
- ゼロクリック率は2025年9月の63.5%から2026年7月の68.1%に上がり、AIの回答で参照されることが検索クリックとは別の入口になっている
- 確かめるのは、AIクローラーの許可、AI流入の計測、会社の説明ページ、構造化データ、記事の書き方の5項目
- 当社のAI流入は2026年7月27日〜10月17日で19セッション。着地先を確認できたGemini経由は速報記事、ChatGPT経由はトップページに着地した
- 数字はまだ小さいので、成果ではなく計測の記録として読む
今日できる最初の一歩は、GA4の「AI Assistant」チャネルを開いて、直近3か月のセッション数を控えておくことです。
自社のサイトでどこから手を付けるか迷う場合は、AIエージェント導入支援でAI活用の相談を受けています。まず話を聞いてほしい場合は、お問い合わせからご連絡ください。
本記事はKz classによる解説であり、Google公式の見解ではありません。